鳩の被害/2015.08.05
建物のこんな所がよく被害にあう③
鳩の集う場-様々な施設
鳩は、ショッピングセンターや公共施設、駅や歩道橋、寺院などにもよく棲みつきます。これらのスポットで鳩による糞害や騒音が発生すると、利用者に迷惑をかけてしまいます。そのため、人が集まる施設や公共建造物の管理者は、鳩による被害を防ぐための対策を講じることが大切です。今回は、このような公共性が高いスポットの鳩被害と対策事例についてご紹介します。
■商業施設・公共施設・駐車場(立体駐車場)の被害
ショッピングセンターなどの商業施設や、病院などの公共施設では、屋上やアーケードに鳩がとまって糞を落とす被害が多く見られます。地面に落ちて溜まった糞は施設の美観を損ね、悪臭や病気の原因にもなりかねません。また、糞が利用者に当たる被害も起こりえます。そして、このような状況を放置していると、やがて鳩が施設の中にまで侵入するようになり、利用者や設備、商品に、より大きな被害を与える恐れがあるのです。
商業施設や公共施設の立体駐車場も、鳩にとっては絶好の住処となりえます。なぜなら、立体駐車場は雨風をしのげ、梁部分は人が来る心配もなく外敵も少ないからです。そのため、天井の梁や配線ラックに鳩の巣が見つかることがよくあります。その場合、鳩の巣をただ撤去するだけでは再飛来する可能性があるので、鳩対策の工事を施して鳩が寄りつく原因を取り除くことが大切です。
【対策事例】
商業施設や公共施設では、鳩の停留を極力防ぐことが肝要です。鳩がとまりやすいポイントは、屋上の端、階段やベランダの手すり、配管など。具体的な対策としては、屋上に有刺剣山や電気ショックを設置する、手すりや配管への忌避剤の塗布やスパイクの設置、ベランダや吹き抜けに侵入しないようネットを張るといった方法があります。なお、立体駐車場等に鳩の巣を作られた場合は、ネットが有効です。いずれも、高度な施工技術が必要なので、専門の業者に依頼することをおすすめします。
■橋梁・鉄道・空港・道路の被害
駅や高架下、歩道橋や道路、空港といった設備は、人の手が届きにくい部分も多く、鳩が大量に棲みつくケースがあります。すると、糞の被害も深刻になりがちです。特に、掃除がしにくい道路設備や橋梁では鳩の糞が堆積しやすく、白く固まるとますます落ちにくくなります。鳩の糞は酸性のために金属をサビさせ、最悪の場合、道路や柱の腐食につながり、崩落事故を招く恐れもあるのです。
また、鉄道、空港、道路に鳩が棲みつくと、車体や機体に鳩が衝突する「バードストライク」という事故が起こる可能性があります。鳩のように小さな鳥でも、走行中の乗り物にぶつかったときの衝撃は大きく、大事故を引き起こしかねません。バードストライクを防ぐためにも、鳩対策は重要です。
【対策事例】
橋梁、鉄道、空港、道路といった設備は、開放部分が広く規模も大きいのが特徴です。そのため、建築図面を使いながら被害状況を分析した上で、本格的な鳩対策が必要となる場合があります。なお、建築時から鳩対策を行っておくとより効果的です。対策方法は、ネット張り、ワイヤーや有刺剣山の設置、忌避剤の塗布など。また、鳩被害が深刻な事故につながりうる空港では、電気ショックを与える装置を設置したケースがあります。
■寺院・歴史的建造物の被害
自然が多く外敵は少ないという寺院や神社などは、鳩にとって住みやすい環境である場合がよくあります。鳩が多く生息すると、歴史的建造物が糞で汚されてしまいます。本来の美観が台無しになるだけでなく、糞の酸性成分が建造物を傷める恐れも否定できません。さらに、寺院などの歴史的建造物では、鳩の被害が深刻化すると、観光スポットとしての魅力が下がる原因にもなります。
【対策事例】
歴史的建造物における鳩対策では、建物そのものの美観を損なわないことが重要です。そのため、目立ちにくい施工法がよく用いられます。目立ちにくいネットまたは、電気ショックを与える装置を寺院の屋根に設置して、鳩の飛来を防いだケースもあります。
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