鳩の生態/2015.08.06
実は凶暴!? 鳩の縄張り意識と闘争本能
鳩は闘争本能の強い鳥
鳩は人間の最も身近にいる鳥の1種です。駅や公園で餌をもらおうと人に寄ってくる姿を見ている限り、人懐こくて温和な生き物に見えるかもしれません。ですが実は、鳩はとても闘争本能の強い鳥。街なかで餌を探しているときは大人しそうでも、自分の巣を外敵から守るためとなれば、同じ生き物とは思えないほどの凶暴性を見せるのです。そのことを知らずに鳩対策を行っていると、思わぬ危険に遭遇するかもしれません。
そこで今回は、鳩対策を行うに当たって用心するべき、鳩の縄張り意識と闘争本能についてご説明します。
■よそ者には容赦なし
鳩は、群れで行動する生き物です。また、鳩は一夫一妻制で、番(つがい)になった雄と雌は一生添い遂げることからも、鳩の仲間意識の高さが窺えます。ところがその反面、鳩は家族や仲間以外の存在に対しては非常に強い敵対心を示すのです。それは相手が同種のドバトであっても同じで、もしもよそ者のドバトが自分のテリトリーに侵入してきたら、闘ってでも追い払おうとします。
ちなみに、鳩が闘うときは、両方の翼を大きく広げて羽ばたきながら相手を叩きます。鳥は羽ばたくことで自分の身体を宙に浮かせて飛ぶことができるほどですから、その翼の力はかなりのもの。鳩がテリトリーを守るために闘う光景には、たかが鳩とは決して侮れない迫力があります。
■巣を作られたら、うかつに手を出すと危険
鳩は数羽から数十羽、ときには百羽を超えるほどの数で群れを作り、街や地域に棲みつきます。そして、そのエリア内で特に居心地の良い場所を選び、番で巣を作って繁殖します。たとえ母体の群れは大きくても、一つ一つの巣は小さいので、ベランダの室外機の裏、倉庫の梁の上、木の枝の又といったちょっとした隙間にも巣作りが可能です。
自宅や職場で鳩が巣作りしているのを見つけたら、慌てて追い払おうとしたくなるかもしれません。ですが、先ほども述べたように、鳩は自分のテリトリーを脅かす外的に対して強い闘争性を示します。人間からすれば鳩のほうが人間のテリトリーに侵入してきた加害者なのですが、鳩が巣作りを始めてしまった以上、そんな理屈は通用しませんし、一度人間の生活エリアで巣作りをした鳩は人間を怖がらなくなってしまいます。
うかつに近づいて鳩を追い払おうとしたり、巣を壊そうとしたりすれば、鳩が羽ばたくことによって舞い上がる羽毛はダニやノミが、乾燥した糞にはさまざまな病気の原因菌が含まれている可能性があるので、それらを吸い込まないためにも、巣にいる鳩を追い出すときは、マスク・手袋をして十分にご注意ください。
なお、鳩に危害を加えたり、卵や雛が存在する巣を許可無く撤去したりすると、鳥獣保護法違反となります。ですから、自宅や職場で鳩の巣を見つけてもうかつに近寄らず、早めに専門業者に相談しましょう。
■テリトリーへの執着心はすさまじい
鳩は縄張り意識が強く、一度気に入って巣を作った場所はなかなか諦めようとしません。たとえ巣を壊されても、再びやってきて巣を作ろうとします。ですから、専門の駆除業者が鳩の巣を撤去した後は、鳩の侵入口を防鳥ネットで覆うなどの方法で、鳩の飛来を物理的に防ぐ対策をとるのが一般的です。
その後、鳩が飛来しなくなってしばらく経つと、「もう大丈夫だろう」と思ってネットをはずしてしまう方がいますが、それは禁物。一度鳩に巣を作られた場所は、ほかの鳩にとっても理想的な営巣スペースに違いありません。そのため、ネットを外すと同じエリア内に住む別の鳩がやってきて、巣を作ろうとする可能性が高いのです。どうしてもネットを外したい場合は、別の対策方法を考える必要がありますので、鳩対策の専門業者にご相談ください。
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