鳩の被害/2015.08.06
鳩の羽毛に潜むノミとダニの被害
ノミやダニにご注意
ノミやダニの中には、鳥の羽毛を好んで寄生する種類がいます。そのため、野生の鳩はノミやダニの温床であるといっても過言ではありません。ノミやダニは、人を刺咬したり吸血したりするほか、アレルギー性の皮膚炎や鼻炎、気管支喘息の原因にもなります。今回は、鳩の羽毛に潜むノミやダニの被害と、その対策についてご紹介します。
■鳩に寄生するダニとは
ダニは、屋内ダニと屋外ダニの2つに大きく分けることができます。
屋内ダニは家屋の中に棲息するダニで、畳、カーペット、寝具、衣類、食品などに住み着きます。代表的な屋内ダニは、コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニ、イエササラダニなど。この3種類で、屋内ダニの90%以上を構成するといわれています。これらの屋内ダニは、アレルギーの原因になることはありますが、積極的に人を刺咬したり吸血したりすることはほとんどありません。
屋外ダニは、自然界のあちこちに棲息するダニです。屋内ダニよりはるかに種類が多く、腐植生性、動物寄生性、植物寄生性、捕食性、食菌性、雑食性など、さまざまなタイプがいます。代表的な屋外ダニは、マダニ、イエダニ、トリサシダニ、ワクモ、スズメサシダニなど。鳩に寄生するのも、このような屋外ダニの一部です。特に、トリサシダニ、ワクモ、スズメサシダニは、野鳥の羽毛を好んで寄生し、吸血します。
■ダニの被害と対策
トリサシダニ、ワクモ、スズメサシダニといった屋外ダニは、鳩の羽毛にも棲息しています。普段は寄生した鳥の血を吸って生きていますが、人間から吸血することもあります。そのため、野生の鳩に近づくと、鳩に寄生していたダニに刺咬され、血を吸われることがあるのです。
屋外ダニに刺咬あるいは吸血されると、激しい痒みや炎症を起こすことがあります。そのため、屋外ダニに刺咬されたときは、病院を受診して適切な治療を受けることが大切です。
野鳥に寄生するダニが人を刺咬する被害は、5~6月頃に増えます。5~6月は野鳥のヒナが巣立ちを迎える時期なので、これまで野鳥の巣に棲息してヒナから血を吸っていたダニが、吸血の対象を人間にまで広げて動き出すからです。
屋外ダニによる被害を防ぐためには、鳩の多いエリアになるべく近寄らないことが大切です。また、ベランダや屋上に鳩が飛来するのを放置していると、鳩が運んできたダニが建物の周辺に棲息するようになります。そのため、鳩の飛来を抑制する対策を取ったほうがよいでしょう。また、鳩の巣を見つけたら、早めに撤去することが大切です。なお、巣の中に卵やヒナが存在する場合は許可を得なければ撤去できないので、専門の業者にご依頼ください。
■ノミの被害と対策
ノミは、人、犬、猫、鳥など、さまざまな動物に寄生して血を吸う害虫です。体長は2~3mm程度。跳躍力が高く、飛び跳ねてあちこちに移動します。ペットに犬や猫を飼っている場合、散歩で屋外に出た際にペットの体にノミがくっつき自宅まで持ち帰ってしまうことがありますが、そうでない場合、家屋内にノミが発生することはあまり多くありません。ですが、野生の鳩にもノミは寄生するので、鳩がノミを運んでくる場合があります。また、屋外で鳩に近づいたときに、鳩に寄生していたノミが人に飛び移ることもあります。
ノミに刺されて血を吸われると、激しい痒みが起こります。さらに、皮膚炎を発症したり、水ぶくれ、かさぶた、色素沈着によって痕がのこったりすることもあります。また、ノミの唾液に含まれる物質によってアレルギーを起こす人もいるので、アレルギー体質の人は特に注意が必要です。
ノミの被害を防ぐためにも、野生の鳩にはできるだけ近づかないようにしましょう。また、鳩の羽毛だけでなく鳩の巣にもノミは棲息しています。そのため、ベランダや屋上に鳩の巣を見つけたら、早めに専門業者に撤去を依頼することが大切です。まだ鳩の被害レベルが低い場合は、今のうちにしっかり鳩対策を行って、鳩の飛来と営巣を防ぎましょう。
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