鳩の生態/2015.08.04
鳩はどこからやってきて、どうやって入ってくるの?
どこからともなくやってくる鳩達
※本記事での鳩とはドバトの事を示します。
街中や公園など、様々な場所で見かける鳩。鳩は平和の象徴ともされている鳥で、見ている分には可愛い生き物です。しかしこの鳩、一部では糞などの被害をもたらすこともあり、困らされている人も少なくありません。
鳥は本来、自然の中で生活している生き物ですが、街中にやってきて人間に被害をもたらすこともあります。鳩も例外ではなく、たとえばマンションのベランダの隙間や室外機の傍、屋根の梁、橋下や軒下など、人間の生活空間に巣を作っています。こういった空間は、鳩にとって非常に住みやすい場所なのです。
では何故、鳩はこのような空間を好むのでしょうか。
■鳩が住みやすい環境の条件
鳩が住みやすい場所となるには、いくつかの条件があります。これらの条件が揃っていると、鳩が巣を作りやすくなります。
鳩が最も住みやすいと感じるのは、周囲が何かに囲まれている場所です。
鳩は本来、崖や岩棚といった場所に巣を作ります。これは原種であるカワラバトの習性に由来するもので、ドバトもその習性を受け継いでいます。こういった場所は、前後左右に何かしらの障害物があって、囲まれていることが多くなっています。工場や倉庫、駅舎など、条件に当てはまる建物はたくさんあります。
鳩がこういった場所を好むのは、前述のカワラバトから受け継いだ習性に加えて、安全であることも原因の一つと言えます。
障害物に囲まれているということは、敵に見つかる可能性が低く安全である、ということです。また、そもそも外敵がいない場所を好むため、マンションの高層階や橋下などに巣を作ることが多くあります。
もうひとつ、エサや水場の近くにある場所もやはり好まれます。
エサや水は生きていく上で必須であるため、これらを確保できる場所は鳩に限らず住みやすい場所となっています。神社や川沿いの遊歩道などで鳩を見かけることが多いのは、これらの場所にエサや水が豊富にあることから鳩が住み着きやすくなっているためです。
鳩はこういった条件が揃っていると巣を作りやすいのです。鳩は活動範囲が広いため、巣の近くに餌場や水が無くても安全できれば、工場や倉庫なども標的にしやすいのです。
■原因には人間も関係している?
前項で紹介したような条件に当てはまれば、鳩にとっては暮らしやすい場所です。しかし、こういった環境を作ってしまうのは、他ならぬ人間であることも珍しくありません。
神社や川沿いの遊歩道など、元々の環境が大きく関係している場所に関しては、ある意味仕方ないといえます。しかし、マンションのベランダや工場などに関しては、場合によっては原因を取り除くことができます。
前述のように、鳩は外敵がおらず自分たちにとって安全な場所を好みます。
鳩の天敵はカラスや野良猫などですが、カラスも野良猫も人が駆除してくれるので、人が管理している空間は鳩にとって理想的といえます。その環境では、鳩の主な外敵は人間だけになります。
そのため、人通りが少ない場所や普段あまり人が寄り付かない場所などには巣を作りやすいのです。
特にマンションのベランダは、うっかり野良猫に遭遇する危険性も少なく、人の出入りもそれほど頻繁ではないため、鳩にとっては最高の環境といえます。そのため、巣作りの標的にされやすいのです。
また、ベランダはエアコンの室外機や給湯器、植木などの死角が出来やすい物がある事が多く、これも巣を作らせる原因となりますので鳩が隠れやすいものはなるべく置かないようにしましょう。
同じことは工場にもいえます。特に屋根の梁部分は非常に死角になりやすく、また壁で囲まれていることから周囲の警戒もしやすいと、鳩にとってこれ以上ない条件が揃っている魅力的な物件といえます。
■まずはきちんと整理すること
鳩の対策を考える場合、まずはその場所が鳩の住みやすい環境になっていないかどうかを考える必要があります。前述したように、物が散乱している場所は鳩にとって住みやすい環境です。物を置いたままにせず、きちんと整理整頓することが大切です。死角になりそうな場所や、人があまり出入りしない場所は特に注意しましょう。
なお、鳩は縄張り意識や場所への執着心が強い生き物です。ひとたび巣と認識されてしまうと、追い出すことは格段に難しくなります。糞を放置しておくとその場所に執着するようになるので、頻繁に糞を掃除することも大切です。常に清潔にすることを心がけ、巣や糞を見つけたらすみやかに取り除きましょう。
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