鳩の一日
カワラバト、イエバトが野生化した初期のドバトの生息地は樹林や神社での生活が中心でしたが、近年は市街地や海沿いの工場地帯などに集中するようになりました。
これは、ドバトの餌となる食物が近くにあることと、もともとコンクリートの建物や橋梁の狭い場所が営巣場所に適していることが言えます。
鳩の午前
それらの場所に集団をつくって生活する鳩は、日の出と同時に活動しだします。
巣から移動するのは午前中が多く、朝一番と午後一番に最も多くエサを食べるというデータがあります。
エサは木の実や昆虫類、トウモロコシやムギを食べますが、やはり人間の与えるお菓子や工場などに落ちた穀類を好むのが都市型の鳩の特徴と言えます。
鳩害で悩んでいた広島市の調査では、鳩のエサの7割が公園などで人間が与える食物との結果があります。
鳩の午後
鳩は昼間エサを採りに出かけると、ほとんど休憩している時間が多く、餌場近くのビルの屋上などで休んでいる光景をよく見かけます。
日没後は橋桁や高速道路下、ビル、マンションにつくった営巣場所に帰ります。
鳩の一生
鳩の寿命は通常十数年。
長生きな鳩で20年近く生きるものもいます。
昔、軍鳩・通信鳩として使われた鳩で優秀なものほど寿命が短く、人間のためによく働いた鳩ほど5~6年で死んでしまうほどでした。
現在、都市に住み着くドバトもそのエサの殆どを人間社会から生産されるおこぼれを採取していることから、鳩は人間社会に大きく依存している生き物と言えるでしょう。
公害の枢軸として嫌われてしまった鳩も今では人間文明に利用されることも少なくなり、鳩にとっては受難の時代を迎えたと言えるでしょう。
2016.01.19 鳩について